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転倒事故の訴訟事例

転倒事故の訴訟事例
転倒事故が起きた際、管理者責任を問われ賠償責任を負うことがあります。

バリアフリー新法の義務化後、ビルオーナー・ビル管理者・施工管理者・メーカーに対しての訴訟が急増しています。
転倒事故が発生すると事故当時における床の「すべり抵抗係数(C.S.R)」によって管理者の責任が問われることがあります。訴訟事例、判例を見ても滑り抵抗係数が重要視されるようになってます。

転倒事故の訴訟事例は徐々に増やしてまいります。
※画像はイメージです。
ケース1
日時 平成26年3月
被告 大手銀行
内容 支店で入口にあった足拭きマットが滑り転倒、負傷したとして。ATMを利用した後、出入口に敷いていたマットに足を乗せたところ転倒し、頭や腰を打撲した。
損害賠償請求 約2800万円
判決 マットが床の上を滑りやすい状態で設置されていた。マットの裏側がぬれており、足を乗せたことで滑ったのが原因であった。
客の安全を確保する必要があるのに、管理を業者に任せきりにしていたとされた。
結果 92万の支払いが命じられた。
ケース2
日時 平成25年3月
被告 ショッピングセンター
内容 当時71歳女性が買い物袋を載せた大型のショッピングカートを押して歩行中、アイスクリームが床に落ちてそのまま放置されていたため、これに左足を滑らせ転倒した。
この転倒事故により右大腿骨骨折・第二腰椎圧迫骨折の傷害を負い下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残したとして。
損害賠償請求 約2650万
判決 ショッピングセンターにおいては、不特定多数の顧客が来店するので、ショッピングセンターの運営者はその安全を図る義務がある。
通路の床面にアイスクリームが落下した状況が生じないようにすべき義務を負っていたというべきで、被告はこれらの義務を尽くしていないことは明らかであり、被告に不法行為に基づき本件事故により生じた損害を賠償する責任がある。しかしながら原告の方もショッピングカートを押しており足元の床面が見えておらず注意が足りなかった。
結果 被告の20%の過失割合が認められた。過失相殺し約850万の支払いが生じた。
ケース3
日時 平成21年7月
被告 大手衣料品量販チェーン
内容 雨水で濡れた床により転倒して骨折してしまったのは店舗側が転倒防止措置を怠ったのが原因として。女性は右太ももを骨折。
後遺障害で右股関節が動かしにくくなった。
損害賠償請求 約1750万円
判決 滑らかな床面で、滑りやすくなっていたことは容易に推測できたとされた。
結果 被告の35%の過失割合が認められた。約570万の支払いが命じられた。
 
ケース4
日時 平成13年7月
被告 コンビニエンスストア
内容 コンビニが床掃除をしたあと乾拭きをしなかった。床に水分がわずかに残っていたことに、当時22歳の女性客が気づかず滑って転んで左腕に大ケガをしたとして。
損害賠償 約1000万
判決 床が濡れていた程度は見ただけではわからず手で触れてわかる程度の濡れ方だったため、通常の速度で歩いて転倒したのは水拭き掃除が事故の原因である。
店舗は、年齢、性別、職業等が異なる不特定多数の顧客に対して、安全を図る義務がある。
床材は、コンビニ全店における統一規格の特注品であり、従業員に対し顧客が滑って転んだりすることのないように床の状態を保つよう、指導する義務があったされた。
もっとも本事案では、女性客は靴底が減って滑りやすい靴を履いていたこと、パンと牛乳を持って両手がふさがった状態であったことなどから、客側の状態が損害の発生及び拡大に寄与したとして5割の過失相殺とされた。
結果 5割の過失割合が認められた。
ケース5
日時 平成8年9月
被告 旅館
内容 宿泊客が豪雨による浸水後、泥水に足をとられて旅館内の便所で転倒して負傷した。 
損害賠償請求
判決 「泥水が浸水した後の本件便所の清掃管理につき、同所を利用しようとする者がすべって転倒することがないよう十分に清掃して泥水を除去し、又はこれが不十分な場合には当該場所に立ち入ってはならない旨の表示をすべき信義則上の安全配慮義務を負っていたというべきところ、それにもかかわらず、これを尽くさなかった結果、本件転倒事故を発生させた」と認定。
結果 転倒事故に係る損害賠償責任を認めた。
ケース6
日時 平成23年1月
被告 ホテル
内容 宿泊客がホテルの大浴場の階段部分で滑って転倒し、肋骨を骨折した。
損害賠償請求
判決 ホテルの大浴場には、中央部分に二段の階段が設置されていて、階段部分の床材はジェットバーナー仕上げがされていたとはいえ、滑りやすい御影石が使用されていた。浴場の大半は滑りにくいとされる大和田石が用いられていた。
床材の選択ミス、さらには滑りやすい場所に利用者への注意喚起の看板の設置や手すりの設置、マットの設置など事故防止のための対策がされていなかった。
結果 安全対策が不十分であるとして債務不履行責任が認められた。
ケース7
日時 平成9年2月
被告 スポーツクラブ
内容 スポ-ツクラブの会員が、当該クラブのプ-ルで行われた水中体操に参加後、水着のままロッカ-ル-ムへと向かう廊下を歩行中に転倒して負傷した。
損害賠償請求
判決 本件廊下は、ナラの小市松材質でフローリングされた床面上に水滴が飛散し、しばしば滑りやすい状態になっていたが、カラーすのこを敷く等して転倒を防止する有効な措置が執られていなかったことにより設置又は保存の瑕疵がある。
被害者以外に同様の事故が生じていないことなどから被害者の過失を認め、過失相殺(4割)している。
結果 一部容認
一部棄却
ケース8
日時 平成24年11月
被告 飲食チェーン店
内容 店員の案内で席に向かう途中で40代の女性客が滑り、左脚の膝を強打。複雑骨折の診断を受け、動作に支障のでる後遺症が残った。
損害賠償請求 店舗の床はインターネットの口コミサイトなどで「よく滑る」などと以前から言われており、事故当時も床に油が付着していて、店側の清掃や管理に問題があったとし約2,500万円の損害賠償を請求
判決
結果 解決金100万円を支払うことで和解
ケース9
日時 平成13年11月
被告 店舗・娯楽施設等
内容 多数の店舗が入居している商業施設のレストラン街の通路を歩行中の客が、通路に付着していた油等によって転倒し、左足を骨折するなどの傷害を負った。
損害賠償請求
判決 事故発生時に通路に通行者の靴や運搬車両の車輪についていた油、水などが付着していて床が滑りやすい状態になっていた。
清掃は頻繁に、かつ十分に行われていなかったことから、ビルの所有者の土地工作物責任が肯定された。
結果 一部認容
一部棄却 
ケース10
日時 令和3年7月
被告 スーパーマーケット
内容 スーパーマーケットで買い物中の60代男性が、野菜売り場の床がぬれていたため転倒し、入通院が必要となり、手術を受けるなどした。左肘関節に後遺障害が残った。
損害賠償請求 約1億200万円
判決 サニーレタスについた水が垂れて床がぬれていたのに、清掃などの対応をした形跡がうかがえず「安全管理義務に違反した」と判断し、約2180万円の支払いを命じた。
結果 約2180万円の損害賠償を命じた。
 
ケース11
日時 令和3年12月
被告 スーパーマーケット
内容 49歳の男性客がスーパーの店内のぬれた床で転んでけがをした。転倒したのは従業員がモップで清掃した場所だった。
店側は、モップは固く絞り、床は若干しめった程度で転倒の危険性はなかったと主張。
損害賠償 店側に対し、安全配慮義務を怠ったとして約205万円の損害賠償を求めた。
判決 転倒後の男性の衣服が水分を含んでいたことから、床に水分が残っていたと認定。
店側は、速やかに拭き取るか、濡れていることを伝えて近寄らせない措置をとるべき義務を追っていた。
一方、男性にも足元を気に留めずに歩いていた過失もあった。
結果 店側に56万円の賠償を命じる
ケース12
日時 平成13年11月
被告 ショッピングセンター
内容 ショッピングセンター来店客57歳が酒類売り場の通路の床にこぼれていた日本酒に気付かず滑って転倒した。
損害賠償請求
判決 管理に瑕疵
民第709条違反
70%の過失違反が認められた。
結果 一部認容 46万円の支払いを命じる
ケース13
日時 平成26年10月
被告 特別養護老人ホーム
内容 特別養護老人ホームの短期入所生活介護事業サービスを利用していた96歳の女性が、施設内で転倒して傷害を負い、その後死亡した。
損害賠償請求 女性の遺族が被告に対し1200万円の損害賠償を求める
判決 訪問看護計画書などから利用者は基本的に歩行中いつ転倒してもおかしくない状態であり、施設側は事故防止のための措置をするべきだったのにこの安全配慮義務を怠ったとし、施設側の責任を認める
結果 480万円を支払うよう命じる
※画像はイメージです。
ケース1
日時 平成23年1月
被告 コンビニエンスストア
内容 本件店舗の床が雨や泥の影響で滑りやすかったにもかかわらず、被告がその防止措置や注意喚起をしなかったとして。
損害賠償請求 約6000万
判決 本件店舗に使用された床材やタイルに不備はなく、店舗の出入口に2枚の床マットを設置して靴底の水分等をできるだけ除去するよう対策を講じていたこと等に照らして、転倒場所の床が雨天時に通常やむを得ず生じる程度の湿った状態を超えて滑りやすい状態にあったとは認められない上、雨天の影響により本件店舗の床が湿っていることにつき、来店客は一般にその可能性を認識しているのが通常であることも併せ考えれば本件店舗の床が通常有すべき安全性を欠いていたとは言えず、被告が来店客の安全を図るべき注意義務に違反した事実も認められないとされた。
結果 棄却
ケース2
日時 平成22年12月
被告 スーパーマーケット
内容 スーパーマーケットを訪れた原告が、店舗内の床の管理が不十分により床が濡れており、そのため転倒し右ひざ骨折の傷害を負ったとして。
損害賠償請求 約220万
判決 当日、雨は降っておらず床に大量の水分があったとは考えられない。また、床材の滑り抵抗値の値も転倒の危険を有する状態ではないことが確認された。
結果 棄却
ケース3
日時 平成14年5月
被告 病院
内容 病院に入院していた原告が,
1.トイレの出入口スロープ部分が水で濡れていたため滑って転倒し,左大腿骨頚部骨折の傷害を受けたとして。
2.事故当時独力で院内を安全に歩行することが困難な状態にあったにもかかわらず,夜間の独力歩行をさせたという注意義務違反として。
3.睡眠薬を継続投与する際の観察看護義務違反を理由とする債務不履行又は不法行為に基づき。
損害賠償請求 約2300万
判決 原告は右手に点滴用スタンドを持った状態で,
1.トイレの出入口スロープ部分が水に濡れていたために転倒したと認めることはできず,本件通路部分で転倒したと認められる。
2.被告病院が外来患者に対して睡眠薬を出す場合にも注意をするにとどまり,服用後短時間で 目が覚めた後に1人で動き回らないことやトイレに行く場合には付添が必要であるなどの指示をしているわけではないことが認められ,かかる被告病院の取扱いが不適切であると認めるべき証拠もない。
3.通常の入院患者に対する観察看護義務を超えて,ハルシオン投与後の原告の行動を観察すべき注意義務があったとは認められない。
結果 棄却
 
ケース4
日時 平成11年9月
被告 民宿旅館
内容 民宿旅館の浴室で木製の洗い場の床に生えていた苔状のもので、足が滑り転倒して傷害を負ったとして。
損害賠償請求 約1240万
判決 浴室は脱衣所との段差が格別危険なものとは認められず、他にも転倒を招くような構造的な因子も見当たらなかった。
以上からすると,掃除をするなどして浴室を利用する客の転倒を防止する注意義務があるにもかかわらず怠り、その床が滑りやすい状態 のまま放置したとは認められない。
結果 棄却
ケース5
日時 令和3年8月
被告 スーパーマーケット
内容 スーパーの利用客が、レジ前の通路の床に落ちていたカボチャの天ぷらを踏んで転倒し、膝の靱帯(じんたい)を損傷するけがを負った。
損害賠償請求 140万円
判決 【地裁】
天ぷらは他の客が落としたものだったと認定したうえで、消費者庁のデータに基づいて「想定外の事態とはいえない」と判断。店側が「物が落下した状況が生じないようにすべき義務を尽くさなかった」として、安全管理を怠った店側の責任を認めていた。

【高裁】
レジ前通路が、惣菜等が落下して客が転倒する危険性が高い場所ではないこと、天ぷらが事故の直前に落とされた可能性が高いこと、事故当時はレジが混み合う時間帯であり従業員が落ちた天ぷらに気づき、除去することは困難であったことなどから、男性の請求を棄却。
結果 【地裁】 約57万円の支払いを命じる
【高裁】 棄却。被告は事故への対応として約6万円を支払った。
ケース6
日時 平成25年10月
被告 建物所有者・建物占有者
内容 開業前の飲食店の屋外階段で、両手に荷物を持っていた55歳の女性が濡れた階段で足を滑らせ、前向きに転倒した。
損害賠償請求
判決 被告に瑕疵なし、法令違反なし
結果 棄却
ケース7
日時 平成25年11月
被告 コンビニエンスストア
内容 雪の日にコンビニに来店した74歳の男性が、草履の雪を拭わずに入店し、滑って転倒した。
損害賠償請求
判決 被告に瑕疵なし、法令違反なし
結果 棄却
ケース8
日時 平成22年12月
被告 スーパーマーケット
内容 スーパーマーケットに来店した38歳の女性客が、豆腐売り場内の通路で水に滑って転倒した。
損害賠償請求
判決 通路床に水漏れは無かったとして被告に瑕疵なし、法令違反なし
結果 棄却
 
ケース9
日時 平成27年4月
被告 家電量販店
内容 63歳の来店客が店舗出入口の足拭きマットと床の隙間につま先が挟まって、躓いて転倒した。
損害賠償請求
判決 足拭きマットと床に隙間は無かったとして被告に瑕疵なし、法令違反なし
結果 棄却
ケース10
日時 平成24年11月
被告 デイケア施設
内容 71歳の利用者が、被告の運営するデイケア施設を利用していた際、転倒事故により傷害を負ったとして、利用者の相続人である原告が損害賠償を求めた。
損害賠償請求
判決 アセスメント表の記録や通院していた病院の診療録などから、利用者の歩行能力において特に問題はなく、階段の上り下りを含め、歩行時に介助を必要とする状況にはなかったと認定し、施設側は、利用者が転倒することを予見するのは不可能だったとし棄却。
結果 棄却
裁判所は大きく(1)被告側が転倒事故を予想できたかどうか、(2)回避のための措置をどのように講じていていたかをポイントにしているようです。

以上のように転倒事故が起こり訴訟を起こされますと多額の損害賠償の支払いが生じたり、棄却された場合でも裁判の大変な労力や心労やコストがかさなります。

利用者の安全を確保するためにも、施設側は床への滑り止め加工など転倒事故が起こる前の対策が必要です。



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